27歳のとき、突然仕事に行けなくなった日がある。

朝起きて、着替えようとして、気づいたら泣いていた。何がつらいのか、うまく説明できなかった。 ただ「もう無理だ」という確信だけがあった。その確信は夕方になると消えて、翌日にはまた出社できた。

今思うと、あれは毎月のことだった。

「職場が合わない」と思っていた

転職したのは、職場のせいだと思っていたから。上司の顔を見ると動悸がした。会議の前日は眠れなかった。 自分の感情のコントロールがきかなくて、些細なことで泣いたり怒ったりした。

でも転職してみると、また同じことが起きた。新しい職場でも、月に一度か二度、 「消えてしまいたい」と思う時期があった。

「自分がおかしい」「仕事に向いていない」「メンタルが弱い」——そう結論づけた。

PMDDという言葉に出会ったのは、ずいぶん後だった

月経前不快気分障害(PMDD)。生理の1〜2週間前から始まる、気分の落ち込み・怒り・絶望感が特徴の病態。 PMS(月経前症候群)の中でも、精神症状が強いタイプとされている。

PMDDとは?
Premenstrual Dysphoric Disorder の略。アメリカ精神医学会のDSM-5に記載された診断基準がある。 日本では認知度がまだ低く、「メンタルが弱い」と片づけられてしまうことも多い。

この概念を知ったとき、最初に思ったのは「怒り」だった。なんでもっと早く知れなかったのか。 なんで誰も教えてくれなかったのか。私は何年、自分を責め続けていたんだろう。

カレンダーを見返すと、気づいた

スマホのカレンダーに「調子悪い」「眠れない」「泣いた」と記録する習慣があった。 PMDDのことを知った後、それを見返してみた。

パターンが見えた。ほぼ毎月、生理の10〜14日前に記録が集中していた。 「仕事を辞めたい」と検索したのも、転職サイトに登録したのも、ほとんど同じ時期だった。

あの転職は、PMDDの症状が最悪だった時期に決断したものだったかもしれない。

「正しい判断」なんて、どの自分がしたものか

これはちょっと怖い話だと思う。月の半分ほど、私の認知や感情は大きく歪んでいたかもしれない。 その状態で、人生の大きな決断をしていた。

だから転職が間違っていたとは言いたくない。でも「本当にそう思って決めたのか」は、今でもわからない。 黄体期の自分と、それ以外の自分で、見えている世界がそんなに違うのだとしたら——

「どの自分」が正しい判断をしているのか、という問いが生まれた。

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記録するだけで、パターンが見えてくることがあります。

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今やっていること

婦人科に行って、PMDDの可能性を相談した。薬(低用量ピルやSSRI)についても話を聞いた。 まだ完全に「解決」はしていないけれど、少なくとも「私がおかしい」と思わなくなった。

体には周期がある。月の半分、調子が悪くなりやすい時期がある。それを「弱さ」と呼ぶのをやめた。

このブログでは、これからも体のこと、仕事のこと、正直に書いていく。 誰かの「あ、わかる」になれたら、それで十分だと思っている。